2008年/アメリカ
監督:D・J・カルーソ
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ、エドワード・L・マクドネル
キャスト:シャイア・ラブーフ、ミシェル・モナハン、ビリー・ボブ・ソーントン
う~ん、困った。
書きたいことはたくさんあるのに、何を書いてもネタバレになってしまう。
そこで。。。今回は思い切って書いちゃいます。
だから、まだ見ていない人はこの先は読まないように!
この作品、基本はヒッチコックの得意とする“巻き込まれ型”サスペンスです。
実際、『北北西に進路を取れ』や『知りすぎていた男』へのオマージュとも取れるシーンが随所に見られる。
主人公ジェリーが鉄塔の間を走るシーン、クライマックスの音楽会のシーン。。。
ヒッチコックが生きていたら、こんな映画撮ったのかなぁ。
ある日、ジェリーの下に見知らぬ“女性”から電話があり、自分の指示通りに動くよう命令される。
どこかで見張っているであろう、その“女性”が告げる内容の通りにジェリーの周りで事件が起き、ジェリーはその“女性”に操られ始める。
その頃、シングルマザーのレイチェルの下にも、同様の電話が掛かってくる。
まったく面識のない二人は謎の“女性”の支持により、ある計画に巻き込まれていく。
さて、ココから核心に迫ります。
もう一度云いますけど、ネタバレしますからネ。
最新鋭の監視システムの暴走と云うネタ的には、決して新しい発想ではないですね。
本作が今までの作品と違うのは、コンピューターが人類を滅亡させようと云う『ターミネーター』的なものではなく、コンピューターがある目的の為に人を駒として扱うと云うところでしょう。
ただ、やはりこの手の作品にはどうしても設定に矛盾点というか綻びが付き物で、本作でも何点か気になるところはある。
まず、最大のポイントは、あれだけ世の中を意のままに操れる術があるのなら、自らの手でいくらでも目的を達成できたのではないかと云う点だ。
ただ、それでは映画が10分で終わってしまうので。。。
そこで、『ロボコップ』のようにある条件下では抑止プログラムが働くと勝手に理解する。
それから、持ち駒の一人にレイチェルが選ばれた理由。
音楽会関係者は全員候補者のはずで、何故レイチェルなのかは説明不足。
これも、たまたまレイチェルが選ばれただけで深い意味はないと勝手に理解する。
そして、タイマー付きのアタッシュケース強奪のシーン。
まず、タイマーの意味が不明。
内容物から考えてタイマーが付いている必要性が見つからない。
観ている者に、「中に爆弾が入っている」とミスリードするための演出だろうね。
さらには、何も銃で脅してまで奪うような危険なマネをさせなくても、あれだけ人を操れるなら警備員を操作すればよかっただけなのでは?
「もうすぐ現れる男に、このアタッシュケースを渡せ」ってね。
あそこでジェリーが撃たれでもしたら、計画は遂行できなくなるのに。。。
そもそも、こんな遠回りしなくても、いきなり目的地に向かわせる事だってできた筈。
ただ、それでは映画が20分で終わってしまうので。。。
話は変わりますが、『映画の達人』(フジテレビ木曜深夜放送)という番組をご存知ですか。
毎回ひとつのテーマを決めて、そのテーマに副ったゲストを招きディスカッションするという番組で、ホラーやSFといったジャンルから、サントラまで様々なテーマを扱う。
先日、スピルバーグを取り上げた回があったのだが、そこで面白い表現があった。
スピルバーグは、導入からクライマックスまでの盛り上げ方はとても上手いのだが、終わらせ方がヘタだと。
“起承転の男”
云いえて妙ですな。
製作総指揮のスピルバーグがどの程度この作品に携わっているかは不明だが、本作もラストは。。。
あれだけの最新鋭システムを停止させる方法が、力技って
とまぁ、いろいろ文句も云いましたが、映画としてはとても面白いです。
全ては映画として観た時の、ハラハラ感を演出するため。
見事にその演出にハマってしまいました。
さすが、スピルバーグです。
ただ、見終わってから「ん?本当にあれで良かったのか?」ってなる映画ですけどね。
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